私はインテリア業界で10年以上のキャリアをもち数多くのワークチェアを取り扱ってきました。
その中でもアーロンは秀逸なチェアです。
世界中にファンがいるエルゴノミックチェア最高峰をできるかぎり細かく見ていきたいと思います。
目次
所感
メリット
- 疲れしらずの座り心地
- 体に吸い付くリクライニング
- メッシュチェアの最高峰
- 大きくて気持ちのよいアームパッド
デメリット
- ヘッドレストのオプションなし
- 色はモノトーンのみ
まずこれまで使ってきた所感ですが、一言「最高」です。非常に満足しています。
アーロンチェアに座ると他の椅子にすわると違和感を覚えるほど座り心地がいいです。
私はインテリア業界で10年以上仕事をしていて、数多くのチェアを取り扱ってきましたがアーロンは常に一流のお客様に選ばれます。ファンが多いのも納得の座り心地。間違いなく世界有数のチェアです。
個人的にはアーロンチェアかオカムラのContessaチェアが世界で一番のエルゴノミックチェアだと思います
アーロンはとても「しなやか」な椅子です。
独特のリクライニングはとても柔らかく、アーロンならではのメッシュが体をふわっと支えてくれます。
ちょっと大げさかもしれませんが、座るということ、椅子という概念から開放されて、体をサポートしてくれるギアのような感覚すら覚えます。
前傾姿勢の機能も個人的には気に入っています。
前傾姿勢がとれる椅子は他にもあるのですが、書き物をしたりする際にアーロンの前傾機構が一番しっくりきます。
機能の多い椅子は時に、その機能があると謡いたいだけでちゃんと意味をなしていない場合がありますが、アーロンチェアの機能は目的に沿った無駄のないものです。フィロソフィーを感じます。
何気に個人的に好きなのはアーロンのアームです。
ぱっとみ結構ごつくてかっこいいのか悪いのかわかりませんが、使い勝手はよいです。
アームパッドはしっかりとしていたほうが実際に肘をのせてタイピングを行う際にしっくりきます。
飾りのようについているアジャストアームもあるなか、アーロンはしっかりと機能します。
さわり心地もよいです。
価格は20万円ほどしますが、12年保証もついています。
10年、15年使うことを考えるとその間最高のチェアを使えるのであれば決して高い買い物ではないと思います。
とにかく体をサポートしてくれる最高のチェアを探している人には間違いなくおすすめします。
Aeron Remastered(アーロン・リマスタード)とは
1994年の発売から20年近く世界中のの人々に愛されています。
私の周りでは、特にデザイナーやクリエイターから選ばれているような印象を受けます。
アーロンは世界で初めてエルゴノミックメッシュチェアを発売した歴史的にもアイコニックな製品です。
今でこそメッシュチェアは一般的になりましたが、アーロン以前はファブリックのクッション背座がスタンダードでした。
2017年にはアップグレードされたアーロンリマスタードが発売。
リルトメカニズム、メッシュ、調整可能なポスチャーフィットが刷新、改良され進化を遂げました。
アーロン・リマスタードのここがすごい
精密なチルトメカニズム
リクライニングが、ぐにゃぐにゃと前後に動きます。
この動きがとても自然で心地いいです。
自分が椅子に合わせるのでなく、椅子が自分についてくるような感覚です。
前傾姿勢も心地よく、椅子が体をサポートしてくれます。
以前メーカーの方から実はチェアのメカニズムを自社で製造している企業は世界でも数社しかないと聞きました。多くのチェアはメカニズム専用のサプライヤーから仕入れているとのこと。
アーロンのチルトメカニズムは間違いなく唯一無二。バリューが高いと感じます。
アーロンのこの柔軟なチルトメカニズムは、「同じ姿勢で居続けることは、椎間板へ栄養を運ぶ筋肉の自然なポンプ作用を妨げる」考えから来ています。チェアは人を支える必要もあるが、動かす必要もあるということです。
確かに肩こりや腰痛は体を動かし筋肉をストレッチすることにより軽減されます。
こだわりぬいたメッシュ
ペリクルは通気性と耐圧分布に優れています。
まず通気性ですが、空気、体温、湿気がこもりません。
通常のクッション座は座っているうちに座や背に熱がこもりますが、この不快感がありません。
そして耐圧分布。
アップグレードされたアーロンリマスタードは、進化した「8Zペリクル」が採用されています。
背と座を8つにゾーン分けして、それぞれの張力を変えています。これにより体重が掛かる個所は固く、あまり体重がかからないところは柔らかく体をつつみこむようにサポートします。体圧の分散がより効果的になり、体への負荷が軽減されます。
リマスタードで個人的に一番改良を感じたのがこのメッシュです。
最初のモデル、アーロンクラシックと比べて非常にここちよく軽い座り心地ながらしっかりサポートされていると感じます。
正しい姿勢に導くポスチャーフィットSL
ハーマンミラーは腰椎に加え仙骨(背骨の一番下の部分)をサポートするサポートパーツ、ポスチャーフィットSLを開発しました。
ポスチャーフィットは個々のパッドが調整可能で、この調整により仙骨を安定させ腰の部分をサポートします。
座り姿勢は猫背になりやすく、これが腰痛や肩こりの原因となります。ポスチャーフィットを使うことにより、より立ち姿勢に近くなり体への負担が少なくなります。
エルゴノミクスの知見
人体の動きや人々の思考、そこから生み出される生産性やクリエイティビティまで。広くまた深い知見を持っています。こういった研究に基づいてた結果が商品であり、結晶がアーロンチェアです。
チェアは簡単なものであれば誰にでもつくれる製品です。
ハーマンミラーはこの一見シンプルなものに最大限のパフォーマンスを追求。人とチェアとの関係を世界で一番理解しているブランドです。
素材、デザイン、機能すべてに綿密なねらいと裏付けがある。
これが妙にフィットする、なんとも使いやすいく、座っていることを忘れるほどの感覚を生み出しています。
スペック
サイズ
どのサイズが自分に当てはまるかは上のチャートを参考できます。
ただできれば実際に座って確かめることをおすすめします。
体格や手足の長さ、胴回りと同じ身長でも合うサイズが異なるからです。
また座の大きさだけでなくアームとの距離も重要です。
アーロンのアームは3方向、上下と前後と首振り機能がありますが、左右の動きはありません。
ですのでサイズが大きくアームが遠いと少し使いづらいです。首振りで自分のように寄せることはできますが、できればもとから使いやすい距離にあるほうが好ましいです。
座の奥行き、アームの左右調整がないのを3つのサイズで解決しているのがアーロンです。
そのためサイズ選びには気を配りたいところです。
通常チェアはワンサイズで、小柄な人はチェアを持て余すこともありますが、サイズAは150cmほどの小柄な方でもフィットするのも嬉しいですね。
調整機能
- 座の上下昇降
- リクライニング機能
- リクライニングのテンション調整
- リクライニングの角度調整(3段階)
- 前傾姿勢
- 3D可動アームレスト(上下、前後、首振り)
エルゴノミックチェアに必要な調整機能はもちろん全て搭載されています。
リクライニングの調整は少し複雑なので慣れが必要ですが、慣れれば問題ありません。
調整機能できない機能としては
✗ アームの左右調整
✗ 背もたれ90度での固定
✗ リクライニングした際の固定
✗ 座の奥行き調整
ちなみに座の奥行き調整、アームの左右調整はサイズが3つあるため調整不要。
背もたれは固定するのは体によくないとの考えから固定機能がありません。
カラーオプション
- アーム :レザー、ビニールレザー
- フレームカラー:グラファイト、カーボン、ミネラル
- ベース(脚) : ポリッシュドアルミニウム、サテンカーボン、ダークカーボン
- キャスター :カーペット用、堅い床用
アーロンクラシックとアーロンリマスタードのの違い
全体のイメージはすこしスリム化した感じです。
メカ部分の調整ノブもスッキリし、メカ自体もすらっとしました。
無骨なクラシックの感じも個人的には好きですが、それでも他の機能面をみるとリマスタードのほうが上ですね。
特にメッシュ。座りごこちが確実によくなりました。
これまでは少しメッシュの反力を感じましたが、リマスタードは包み込むようなやわらかさが加わりました。
値段が高い?中古品は?
ただ値段もそれなりにするので購入を躊躇する人も多いと思います。
ただ個人的には高くとも購入する価値のあるチェアだと思います。
アーロンの保証期間は12年です。おそらく、ものとしてはそれ以上15年、20年と保つでしょう。
実際私の取引先の方で初代のものを10年ちかく使っている方がいて状態をみましたが
使用感はもちろんあるもの機能は全く問題ありませんでした。
(座の前方にあるパッドを一度足したということは言っていましたが)
10年以上使うことを見越せば個人的には決して高くない買い物だと思います。
そしてアーロンはリセルバリューが高いです。
アーロンは他のチェアに比べて長らく人気があり中古価格があまり下落しません。
中古で買おうとしても状態がいいものは10万円以上近くします。
仮に購入後に手放す必要がでてきたら高くでメルカリなどで売れます。
そのため、アーロンを買うなら中古でなく新品購入をおすすめします。
折角最高峰の椅子を買うのに、色も選べない、誰かがたっぷり座った椅子を買うのはテンションが下がります。
それより自分が好きな色、スペックで新品を気持ちよく使って、不要になれば売ればよいのです。
価値あるものは値段がさがりません。
個人的には少しでも安い中古品を探すより、自分がほしい最高のものを手に入れて大事に使って
リセルバリューをさげない方がよっぽどいいです。
ただ、おそらく一度使ってしまえば手放したくなくなるとは思います。
この記事が、あならのチェア選びに役立てればとてもうれしいです。